昨年11月22日(火)、(財)全国建設研修センターの創立50周年記念イベントとして、東日本大震災復興支援・映画上映会「アニメ映像に学ぶ自然災害と私たちの暮らし」を、小平市、虫プロダクションのご後援を得て、小平市にある当センターの本館103教室で開催、平日にもかかわらず、小平市民ら49名が来場しました。
上映作品は、「伊勢湾台風物語」「人をたすけ国をつくったお坊さんたち」「パッテンライ!! 南の島の水ものがたり」の虫プロダクション製作による3本。東日本大震災を受けて、自然との向き合い方を見つめ直す機会にしていただければと企画しました。ゲストでお招きした虫プロダクション代表取締役の伊藤叡氏も挨拶の中で述べています。
「本日の上映作品以外にも、宝暦治水や九頭竜川水系の治水など、人と自然の関わりを描いた多くの作品をつくってきました。これらの作品に共通するテーマは、どう自然と共生していくかです。自然をなめてはいけないし、むやみに恐れてもいけない。大事なのは自然の特質を正しく理解し、人と自然の関わりを見つめることです」
なお今回の映画会は、東日本大震災の復興支援を兼ねた上映会であり、ご来場の皆さまからは入場料に代えて義援金を募らせていただきました。その総額は2万6,270円となり、皆さまの支援の気持ちとして、東京都共同募金会を通じて被災地に届けられました。
「近所に住んでいるが、今回研修センターがどんなことをされている場所かわかって良かった。専門的なことはわからないので、日常生活とかかわりの深い内容について、今回のように映写会や講演会をしていただけるとありがたい」
「私ども小平母親連絡会にご連絡いただき、初めてのことでしたのでびっくりしました。今後も交流するとしたらどんなことがありますか。(センターでは)女性も教育を受けておられるのでしょうか。お互いに連絡しあえるといいですね」
今回の映画会では先の企画意図に加えて、当センターの存在と役割を地域住民に知っていただき、地域の様々な主体が連携するきっかけづくりや機会を提供していきたいという思いがありました。その意味で、上記の来場者の声には嬉しい手応えを感じています。そして、この手応えをより確かなものとするためには、これから二弾、三弾とアクションを起こしていくことが大事であり、当センターが長年培ってきた人材育成等のノウハウを活かしながら、より良い地域社会づくりに貢献していきたいと考えています。
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(85分・1989年公開) 【原作・監督】神山征一郎 【制作】虫プロダクション 建設省・農林水産省・運輸省・ 「国際防災の10年」推進本部推薦 |
●大きな台風だとは聞いていたが、アニメを通して実際にどのような災害だったかがよくわかった。東日本大震災と重なる所も多くあった。災害後どのようにして復興したかとか、経験をもとにした防災についても知りたかった。(女性・60代)
●映像の目線が「犬」でしょうか。低いところから見上げている世界が実際に私まで災害にあっているような気持ちにさせられました。アニメーションはテレビや新聞とは違った力がありますね。(女性・50代)
●3月にあった震災と重なり、大変ショックを受けました。私達の生きていくうえで、土木が大変重要であることを改めて感じることができました。それと共に避難する場所の確認など、家族、ご近所との連携は本当に大切であることに気づかされました。(女性・40代)
●名古屋弁、昭和30年代のまちのようす(木造の家、学校、土の道など)の描写が本格的。洪水の様子についても現実感が高い(天井板を破るところ、貯木場の丸太が襲ってくるところなど)のではないかと思う。あまりに多くの実際の映像が残っている東日本大震災について、このような作品がつくられるだろうか。(男性・50代)
●大自然の恐ろしさを今回の東北震災と合わせて感じました。人間の防ぎようのない事も多々ある。しかし、東電の原発の事はこれからの日本でとても考えなければならない課題だと思います。ブチの恩返しには涙が出ました。(女性・60代)
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(20分・2001年公開) 【企画】(財)全国建設研修センター 【制作】虫プロダクション 土木学会・文化庁選定映像 |
●学生時代は歴史が苦手でしたが、今頃お寺、お坊さんの勉強?をしています。行基~空海をまたいっそうに勉強したいと思いました。玉川上水の玉川兄弟の話も聞いたばかりです。つながりがあるように思います。(女性・60代)
●行基をてっきり渡来人と思っていました。ビデオ「私たちの暮らしと土木シリーズ」の1巻、3巻も見たい。企画してください。(男性・70才以上)
●学生時代、歴史で学んだ記憶はありませんが、この年で日本の土木の原点を知りました。(女性・60代)
●内容は非常に有意義。ただもう少し詳しく当時の時代等を描いてほしかった。他の僧侶達のことにも触れてほしかった。(男性・70才以上)
●行基の行いに改めてびっくりしています。小学生等には見せたいですね。(女性・70才以上)
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(90分・2008年公開) 【監督】石黒昇 【脚本】田部俊行 【制作】虫プロダクション、北國新聞社 【後援】(財)全国建設研修センター・土木学会、 台湾嘉南農田水利会 第23回土木学会映画コンクール最優秀賞 文化庁助成 |
●困難な土木工事にも熱意を持って挑戦し続けた八田與一という人物に感銘を受け刺激になりました。(男性・30代)
●先人の立派な事業をもっと皆さんに見せたいです。「緑のダム」とか「コンクリートから人へ」の言葉が淋しい限りです。台湾旅行ではぜひ現地に観光すべきです。(男性・70才以上)
●2人の少年が困難に立ち向かい、夢を実現していく姿に胸を打たれました。(女性・40代)
●人と自然の共生の知られざる一面がよくわかりました。(男性・60代)
●素晴らしい日本人の働きを誇りに思います。ぜひ全国で子ども達に見てほしい映画です。(女性・60代)