【建設業法における技術者制度】
Q: | 請負金額が2500万円未満の下請工事では、主任技術者は「非専任」としてもよいと思いますが、「非専任」となった場合は、複数の下請現場の主任技術者を兼任してもよろしいのでしょうか。また、いくつまでの下請現場で主任技術者を兼任できるのでしょうか。 |
A: | 専任性が求められていない場合は、元請け、下請けに拘らず複数の現場の兼任が可能です。 また、いくつまで兼任できるとの具体的な解釈に対する通達は出されていませんので一概にいくつとはお答えできませんが、主任技術者、監理技術者は、法第26条の3で定められた工事現場の管理事項を行うとともに、施工に従事する者の技術上の指導を誠実に行わなければなりませんから、それらを行い得る範囲での兼任と解釈すべきと思われます。 |
【建設工事の適正な請負契約】
Q: | 建設業法第19条第2項において、請負業者は、変更契約等で、追加工事や工期変更でも着手前に書面による契約書の取り交わしが必要とあり、様々な縛りがありますが、発注者に対してはないのでしょうか。 |
A: | 建設業法第19条第2項は、あくまで契約の当事者が遵守すべき条文ですから、注文者にも請負人にも適用されます。国土交通省から、発注者・受注者間の法令遵守に対し、「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」が出されています。 (http://www.mlit.go.jp/common/000234749.pdf 参照) |
Q: | 追加工事にかかる変更契約について、工期は変更せず確定しているが、工期末も迫っており変更契約手続きが間に合わない場合、どのようにしたらよいか。 |
A: | 工期は変更ないとのことですが、まず追加工事が工期内に完了することを契約当事者が、合意することが重要です。そのうえで、工期に変更がないこと、工事内容、契約単価等を書面にして相互に署名・記名押印のうえ交付し、できる限り速やかに契約変更することが必要です。 また、工期を延長しないと追加工事が完了しない場合は、契約当事者協議合意の上、工期延期が変更対象となることも合わせて書面にし、署名記名押印し、相互に交付し、工期が明らかになった段階で、かつ当初契約工期内に速やかに変更契約することが必要です。 なお、当初契約工期内に確定できない場合は、新たな新規工事として契約することが望ましいと思います。 |
Q: | 特定建設業者の支払期日等(建設業法第24条の5)において、支払期日は、引き渡しの申し出の日(特約のある場合はその一定の日)から50日以内で、かつ、できるだけ早い期間内で定めなければならないとあります。一方、建設業法第24条の3の1ヶ月以内に支払うという規定がありますがどちらが優先されるのでしょうか。 |
A: | 特定建設業者は、建設業法第24条の3及び24条の5の規定が適用されますが、支払期日のいずれか早いほうの規定が優先されます。 |
Q: | 建設業法第22条及び施行令第6条の3で、一括下請負が禁止されている「共同住宅を新築する建設工事」とは、共同住宅の建築工事のみを意味するのでしょうか。それとも「共同住宅を新築する建設工事」の一部であるガス配管工事のみを一括下請負させることも禁止されるのでしょうか。 |
A: | 「建設工事」とされていますので、設備工事等も含まれます。「新築共同住宅のガス配管工事」は「共同住宅を新築する建設工事」にあたりますので、ガス配管工事のみを一括下請負させることも禁止となります。 |
Q: | 民間工事(共同住宅新築ではない)で発注者の書面による一括下請けの承諾があった場合、元請けから商社である下請けに発注するが当該工事の許可を有していれば可能か? |
A: | 民間工事(共同住宅新築ではない)で、元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得て一括下請けする場合、違反となりません。その場合、下請負人は、商社であるか否かは関係なく、軽微な建設工事でない工事を下請する場合は、商社が当該建設工事に関する建設業許可を有していなければなりません。 |
Q: | 施工体制台帳に関する社会保険加入についての記載について、同一社ですが事業所ごとに加入・未加入が混在します。 事業所規模によっては加入しないでいい場合もあるのですが、この場合、未加入と記載するのでしょうか? |
A: | 施工体制台帳の書式はあくまでも例示です。 社会保険加入・未加入に関しては、加入すべきところ未加入であることを明確にすることが重要です。加入しないでよい事業所は適用除外となります。 テキスト内の記載例では、建設工事の請負契約を締結した事業所のうち、一つ以上未加入がある場合は未加入を○で囲みます。加入と適用除外が混在する場合は加入を○で囲みます。 詳しくは、国土交通省の「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」(http://www.mlit.go.jp/common/000216921.pdf) 及び「社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインQ&A(平成24年9月27日現在版)」問30及び問31(http://www.mlit.go.jp/common/000225414.pdf)を参照されたい。 |
Q: | 元請けの責務として下請けに社会保険未加入指導した結果、是正しない場合、元請けが許可行政庁に通知しない場合、通知義務違反になるのでしょうか? |
A: | 現時点では、建設業法第24条の6の通知義務違反にはなりませんが、「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」では、社会保険に加入すべきなのに加入していない下請業者には、是正指導をすること。また、遅くとも平成29年度以降においては、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の全部又は一部について、適用除外でないにもかかわらず未加入である建設企業は、下請企業として選定しないとの取扱いとすべきであるとされています。 |
【建設廃棄物管理のポイント】
Q: | 保守委託契約の業務で、電話機(故障により不良品となった)の交換を行った電話機は請負者が持ち帰り請負者の敷地に産廃コンテナ(産廃業者のもので請負者が契約)に保管して、まとまったら許可運搬業者が運搬して処理場にて処理する場合、発注者が排出事業者となるのでしょうか。 また契約は請負者が運搬の許可を取って発注者と契約しなければならないのでしょうか。産廃コンテナは発注者が契約した業者のコンテナを請負者もしくは一次下請けの敷地に置くことは可能でしょうか。 |
A: | 保守委託契約業務の為に貴社が現地に乗り込んだ時点でその電話機が廃棄物であったかによると考えます。 発注者が、「故障して直らないため交換。」と云う認識を持っていたのであれば、発注者が排出事業者となりますし、発注者が、「どうも具合が悪いので見て欲しい。」との認識を持っていたのであれば、貴社が乗り込み現物を見た結果で「修理不可能。」と判断を下したことになりますので、貴社が排出事業者と考えられます。 どちらにしても、この辺りの判断は微妙なところです。 発注者が排出事業者の場合は、収集運搬許可業者と直接契約することになります。貴社が運搬する場合は貴社に許可が必要です。 又、発注者が排出事業者の場合は、産廃コンテナは自社の敷地で管理すべきです。 |
【安全・安心・安定な社会づくりに向けて】
Q: | 大規模災害(東南海地震を想定)時の会社において備蓄する物、現場において備蓄する物の、標準的な備蓄品を教えて頂きたい。 |
A: | 拠点あるいは現場での標準的な備蓄品を、「緊急避難・支援物資」という位置付けで列挙すると、主に以下のとおりです。 (1) 応急手当 担架、消毒剤、止血剤、包帯、三角巾、ガーゼ、バンドエイド、脱脂綿、ナイフ、ハサミ、ピンセット、体温計、タオル、毛布、マスク 等 (2) 救助・復旧作業 軍手、ロープ、ハンマー、ブルーシート、スコップ、万能ナイフ、ジャッキ、ノコギリ、チェーンソー(できれば)、土嚢、オイル吸着マット、灯光器およびケーブル、懐中電灯、電池、ローソク、発電機、燃料(ガソリンは携行缶等)、ライター、拡声器、掲示板、ペン、付箋紙、ホワイトボード、ヘルメット、笛、合羽、地図、自転車(できればノーパンクタイプ)およびパンク修理剤、リヤカー(できれば)、MCA無線、携帯電話、IP電話(できれば)、衛星電話(できれば)、ノートPCおよび通信カード、プリンター、FAX 等 (3) 生活必需品 非常食(乾パン・アルファ米等)、缶詰、インスタント食品、飲料水、割り箸、スプーン、紙皿、ポリコップ、簡易トイレ、ポリタンク、トイレットペーパー、寝袋、テント、カイロ、カセットコンロとボンベ、洗面用具、石鹸、ゴミ袋 等 |
Q: | 上記以外に従業員個人に備蓄さす備蓄品は、大規模災害(東南海地震を想定した)の場合は何日間分備蓄させておけばよろしいでしょうか。 |
A: | 概ね、次のとおりと考えています。 (1) 保安帽 耐用年数7年 (2) 飲料水 一人一日あたり3リットル×3日分 (3) 非常食 一人一日あたり3食×3日分 |
Q: | 震災時の個人行動基準(1.大規模地震発生時の行動 2.震災に対する平常時の準備 3.緊急時の連絡先)に関する市販資料等がありますか。又、ない場合は近隣の消防署と相談して作成した方がよいでしょうか。 |
A: | こうした類の資料は、インターネットを検索しただけでも、結構、出てきます。参考として以下のようなものをあげておきます。 公益社団法人 土木学会 日本に住むための必須防災知識 http://www.jsce.or.jp/publication/detail/detail2055.htm 国土交通省 土砂災害から命を守る防災教育 http://www.mlit.go.jp/river/sabo/dshakyouiku.html 国土交通省 土砂災害映像(動画)ライブラリ http://www.mlit.go.jp/river/sabo/movie_library.html 防災教育支援推進ポータル http://www.jishin.go.jp/main/bosai/kyoiku-shien/bosai.html 防災教育チャレンジプラン http://www.bosai-study.net/top.html 総務省 防災サバイバル手帳 http://www.fdma.go.jp/html/life/survival/hyo1-4_01.html |