【監督処分の事例から学ぶ現場で遵守すべき法令】
Q: | 発注者が民間で、当社は元請より一次下請人として請負いました。 当社が、さらに500万円以上の工事を二次下請に発注する際に、二次下請業者が無許可業者であった場合、当社は元請ではないため、無許可業者に500万円以上の発注を行っても法令違反にならないと考えてよろしいでしょうか。 |
A: | 何次の下請であろうと、更に再下請けに出す場合それが500万円以上になるならば、それを請け負う者は建設業の許可を有していることが必要です。 無許可業者と下請契約した建設業者は監督処分(通常は7日以上の営業停止)を受ける恐れがあります。 特定建設業の許可を有している元請は、何次の下請工事であろうと無許可業者が500万円以上の工事を受注しないよう全ての下請を指導監督する必要があり、これを見過ごしていた場合は特定建設業者自身が監督処分を受ける恐れがあります。 |
Q: | 公共工事においては、公共工事標準請負契約約款(標準約款)により、現場代理人の常駐及び監督員の配置が必要とされています。この規定は元請業者以外のすべての下請業者(1次下請、2次下請、3次下請等)にも適用されるのでしょうか。 |
A: | 現場代理人の必要性は工事請負契約書により定められる事項です。公共工事においては通常元請は現場代理人の配置を要求されますが、下請工事については、公的発注者が下請業者の現場代理人の必要性を指定してくることは余りないと思われます。下請工事における現場代理人の必要性については下請工事の当事者間で決定すべきことであると思われます。 |
【建設業における社会保険未加入対策】
Q: | 社会保険未加入業者に対する指導等に関し、罰則規定等の取り決めはあるのでしょうか。 |
A: | 元請企業は、下請企業が適用除外でないにもかかわらず未加入である場合には、「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」に沿って早期に加入手続を進めるよう指導を行うべきとされています。 また、遅くとも平成29年度以降においては、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の全部又は一部について、適用除外でないにもかかわらず未加入である建設企業は、下請企業として選定しないとの取扱いをすべきとされています。 以上は、法令で定められているものではなく、企業として期待されている対応方針を示しているものです。よって、現時点では罰則規定は存在しません。 |
Q: | 施工体制台帳の健康保険等の加入状況欄で雇用保険欄に労働保険番号を記入することになっていますが、この雇用保険に関する番号を確実に確認するにはどのようにすればよいでしょうか。 |
A: | 雇用保険の事業所台帳のコピーの提出を求めれば、雇用保険に関する番号の確認が可能となります。 |
【労働安全衛生法の重要点と4重責任】
Q: | 元請けで建設業の工事種別でその他、労働者数が50人未満の場合、統括安全衛生責任者を選任(特定元方事業開始報告に記載)する必要はないと思いますが、「現場で統括安全衛生管理を行う者」は何と表現する(施工体制図に記載する場合等)べきでしょうか。 |
A: | 50人未満の場合、統括安全衛生責任者の選任は必要ありませんが、事業規模の大小にかかわらず、統括管理は必要ですので例えば「統括管理責任者」(社内基準)といった名称の者を選任し、その者を中心に実施するのが、望ましいと思います。 |